2016年2月29日 (月)
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【相続税対策の基礎知識2】不動産が大半で現金がない納税資金のねん出方法は?

【相続税対策の基礎知識2】
不動産が大半で現金がない
納税資金の捻出方法は?

相続税がかかりそうな場合、相続財産が不動産か金融資産かで対策は変わってくる。
3回シリーズの「相続税対策の基礎知識」の第2回は資産のほとんどが不動産のケース。
親の財産は持ち家のほかに、使われていない土地や田畑、賃貸アパートや駐車場といった不動産がほとんどで預貯金などが少ない場合、納税資金をどう捻出するかが気になるところ。
不動産はその種類や地域、利用の仕方などで相続税評価額が異なるが、相続時点での経済情勢などによっても評価額は変動する。
予想以上の相続税がかかり、家族が困らないように、納税資金の確保を考えた事前の対策と準備が必要だろう

土地を活用して相続税の評価額を下げる

利用されていない更地の場合は自用地と同じ評価額になるが、人に貸したり、賃貸住宅を建てて人に貸せば、その土地の評価額は低くなる。例えば、人に貸している土地は借りている人の権利である借地権割合を差し引ける。貸家やアパートなどを建てて貸借人がいる土地は貸家建付地になり、都市部の住宅地などは自用地と比べて評価額が2割前後低くなることが多い。人に貸している家(建物)は、借家権割合を差し引けて相続時の評価額が3割低くなる。このように未使用の土地は活用することがポイントだ。

二世帯住宅や賃貸住宅を建てると土地の相続税評価額は下がる ※配偶者が同居の子どものケース
二世帯住宅や賃貸住宅を建てると土地の相続税評価額は下がる
二世帯住宅なら土地の評価額は8割減になる

また、居住用の宅地は「小規模宅地等の特例」で、配偶者か同居する子どもが相続する場合に相続税評価額が330㎡まで8割の減額になる。二世帯住宅にも適用範囲は拡大している。そのため、実家を二世帯住宅に建て直すのもいいが、今、親が住んでいる家は人に貸して、更地に新たに二世帯住宅を建てて子どもと一緒に住む方法もある。
新たに建てる二世帯住宅は子どもと資金を出し合い、建物を共有名義にしておくといい。その二世帯住宅に住む子どもが土地・建物ともに相続すれば、建物の構造に関係なく同居と見なされ、親名義の土地に8割減額の特例が利用できる。ただし、建物を区分登記にすると、二世帯住宅に住む子どもはこの特例が利用できないので注意が必要だ。

結婚20年以上なら使える2000万円まで非課税の贈与枠

不動産の名義がすべて父親で、母親の財産が少ない場合、両親が住んでいる家の土地や建物の一部を、父から母に「贈与税の配偶者控除」を利用して贈与する方法もある。これによって父親名義の財産は減少し、生前に母親に財産を移すことができる。

贈与税の配偶者特別控除の適用条件

贈与税の配偶者特別控除の適用条件

※この特例は同じ配偶者からは一生に一度しか利用できない

一部を売却して納税資金をつくったり、マンションに買い換える

複数ある不動産は早めに一部を売却し、納税資金として預金などで残しておくことも必要だろう。そのためには、保有する不動産をすべて調べて相続税評価額を算出し、どれくらい相続税がかかるかを税理士などに試算してもらうことも大切だ。
ちなみに土地の相続税評価額は、街地なら路線価に面積をかけて算出する(正確には土地の形状などに応じた補正率を掛けて調整する)。路線価が定められていない土地は、固定資産税評価額に一定の倍率をかけて評価額を出す。どちらも国税庁のホームページの「路線価図」のページで検索できるので、保有する土地ごとに調べてみるといい。
建物は、固定資産税評価額がそのまま相続税の評価額になる。

相続税の納付期限は10カ月以内。不動産中心なら事前の準備を

予想される相続税に合わせて、相続人が利用しにくい土地や、手離してもいいと思う不動産から売却を検討しよう。相続税の申告・納付期限は相続開始から10カ月以内と決まっているため、相続してから売却して納税資金をつくろうとすると、思うような価格で売却できないこともある。
相続した不動産で相続税を物納する方法もあるが、物納には一定の条件があるため、どんな不動産でも認められるわけではない。物納が可能な不動産でも、その価格は相続税評価額になるため、時価で売却したほうが有利なケースもある。そのあたりも事前に調べて、検討するといいだろう。
また、同程度の広さなら、土地付きの一軒家などより、マンションのほうが相続税の評価額は低くなることが多い。区分所有のマンションは、一戸当たりの土地の持ち分が少ないため、時価に対して相続税の評価額は低くなるのだ。限られた敷地に多くの住戸がある高層マンションなどは、時価と相続税評価額の差がより大きくなる。そのため、土地付きで保有する建物などは、区分所有のマンションに買い換えておくのも一案だ。
購入したマンションを賃貸にまわせば、さらに相続時の評価額は低くなる。相続する子どもも賃貸マンションならそのまま引き継ぎやすく、売却もしやすくなることが多い。

構成・取材・文 / インタープレス
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