2016年10月27日
どうする?骨董品・美術品の相続

どうする?骨董品・美術品の相続

相続財産を整理しているとき判断に困るのが骨董品・美術品である。これらの大半は「家財」として算入するのが一般的といわれている。価値の高くないものは、「家財一式」としてまとめる。価値のありそうなものは、適切な機関に評価してもらうことが重要だ。今回は、骨董品や美術品を相続する場合の対応方法をまとめてみた。

なんと!わが家に年代物の日本刀が

突然だが、年代物の日本刀が筆者の実家にあったのだ。

「この日本刀は昔、約200万円の借金の代わりにもらった」と父が自慢していたもの。しかし、先日、父から管理しきれないので、売ってほしいと依頼され、タイミングよく、本コラムのネタになるのではと、骨董屋に持って行ったのだ。一体いくらぐらいのものだろう……。皆目見当もつかないまま鑑定を待った。実際の引き取り額を聞くと「1万5000円」。納得できず、コラムのネタだからと自分に言い聞かせ、複数の骨董屋を回ったが、最高値でも「3万円」だった。

刀剣に相続税はかかる?

骨董品、美術品、工芸品などを相続する場合、「家財一式」としてまとめて算入することが多い。はたしてその品には本当に「家財」としての価値しかないのか、事前に鑑定をするなど価値を知っておく必要がある。古い家財や骨董品・美術品は、思い入れがあるものが多い。古いもの、それを継承していくには感情だけでなく、実際の鑑定という裏付けが必要なのだ。今回の刀剣に付随しているものは、都道府県教育委員会発行の登録証だけ。名刀でも鑑定書なしという状況では、当然の結果かもしれない。ご想像の通り、この刀剣は3万円で手放した。

市場価値がありそうならあらかじめ鑑定に

今回は骨董品・美術品の相続を話したい。前述の刀剣は既に手放したので相続することはできないが、もし保有し続け、父が亡くなった場合は3万円相当の刀剣を相続することになる。ポイントは、相続財産は、相続時の価値で算入するということだ。厳密にいえば、相続時にもう一度、古美術商などに査定してもらう必要がある。しかし、この刀剣の場合は、美術品としての価値は低いので、市場価値が変動することはほとんどない。よって「家財一式」としてカウントしても問題ないのだ。

骨董品・美術品の相続

この刀剣が3万円ではなく、100万円も200万円もした場合はどうなるのだろうか。美術品としての価値が高いので、相続時に再び査定してもらう必要がある。所有している骨董品・美術品のうち、明らかに価値の高そうなものは、あらかじめ適切な機関で評価してもらうのがよい。骨董品・美術品は、鑑定機関、古美術商、画廊などさまざまな会社 があるので、目的に応じて相談先を決めるのがよいだろう。

参考までだが、刀剣を鑑定する機関は、日本美術刀剣保存協会があり、審査料も7000円からとなっている。ただし、日本美術刀剣保存協会は作者・年代など鑑定するだけで、市場価値までつけることはできない。よって鑑定結果を古美術商に伝え、市場価値を教えてもらう必要がある。ただし鑑定費用は相続税の計算上、控除できないので注意が必要だ。

寄付すれば、相続財産にならない

前述の刀剣が3万円ではなく300万円だった場合、相続税はかかるのだろうか?

相続財産が刀剣だけであれば、基礎控除額の範囲内なので相続税はかからない。しかし、現実的にはほかの相続財産があったりして、基礎控除額を上回ることもあるだろう。基礎控除額を上回る場合は、もちろん相続税を払うことになるのだ。さて、美術品に興味がなく相続したくないのに、美術品を算入したことにより基礎控除額を上回ってしまった場合、どうだろうか。実は、美術品を「寄付」という形をとれば、そもそもの相続財産とみなされない制度がある。美術品を相続財産にしたくないのであれば、寄付という形を勧めたい。

今回は相続する骨董品・美術品を例にして相続を考えてみたが、骨董品・美術品を相続する際に本当に価値があるのか、あるのならばあらかじめ鑑定をするなどして、その価値を知っておく必要がある。古い家財や骨董品・美術品は、親や先祖からの思い出の詰まった品が多い。また、それを継承していくためにも、鑑定は必要な相続の一環といえる。

取材・文/ライター 大田和 孝純 監修/税理士 佐藤 和基 佐藤和基税理士事務所 写真/PIXTA

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