2016年11月18日
相続人がいない!財産を寄付する方法は?

相続人がいない!財産を寄付する方法は?

子どもがいない、親や兄弟姉妹もいない、親族での付き合いがないなど、相続人のいない遺産はどうなるのか?実は国庫金として国庫にいくのだ。一方、自分の財産に、遺志をたくそうという動きもある。 少子化、核家族化の進む中、自分の遺産を社会貢献として寄付をしたいという人が増えている。遺贈寄付といって、自分の死後、特定の人や団体に財産の一部または全部を贈与すること。今回はその内容について紹介したい。

最近よく聞く遺贈寄付とは?「相続人のいない財産」との関係は

2016年4月、日本財団が遺贈寄贈専用のサポートセンターを設置し、半年で450件以上の相談があった。2016年11月にはNPO法人や弁護士、税理士らが遺贈寄付の普及に向け、全国組織「全国レガシーギフト協会」を立ち上げた。

近年、「遺贈寄付」に関心が寄せられている。こうした流れは、少子化のため遺産を受ける人が少なくなってきていることや、世の中のために使ってほしいという社会貢献ニーズの高まりが理由と考えられる。一方で、「相続人のいない」相続ってどうなるのですか?という声をよく耳にするようになった。未婚のまま定年を迎えたり、子どもがいない中高年夫婦も多くいるのが背景としてある。

気になる遺贈寄付、どこにどうすればいいの?

さて、行き先のない遺産の相続はどうなるのだろうか?介護付き老人ホームなどで余生を過ごしたり、満足した老後生活で、財産を使い切る人もいるだろう。しかし世の中ために自分の遺産を活用してほしい人に向けて、「遺贈寄付」の方法を紹介したい。

遺贈する相手は個人でも団体でも可能だ。複数に寄付することももちろん可能だ。教育関係、医療関係、福祉関係、文化芸術関係、自然保護関係、国連関係……。地域、日本、世界のため…と活躍されている団体や個人はたくさんいるので、自分がその趣旨に納得し、応援したいところに決めるのがいいだろう。

前述の日本財団には認定団体を紹介してくれる窓口もある。

代表的な遺贈寄付団体の一部を以下に紹介しよう。

代表的な遺贈寄付団体の一部
遺贈寄付の手続きとして、まずは寄付する団体を決め、その団体に問い合わせる。団体からは遺言書の書き方・手続きのサポートが受けられ、法的に有効な遺言書を作成する。死後、遺言書にのっとって財産の引き渡しや名義変更などの手続きが行われる。また団体が提携している金融機関(信託銀行など)の紹介もある。信託銀行は、死後の手続きの代行をしてくれるので遺贈に便利だ。
サポートがない場合、遺言執行者を決め了承を得ておく。遺言書にその遺言執行者を指定しておけば、スムーズに遺贈寄付される。また、弁護士や司法書士、行政書士などに相談するか、公証役場で作成する公正証書遺言に残す方法もある。

遺贈寄付のあと、相続税はどうなる?

ところで遺贈寄付の場合、相続税はどうなるのか?相続税は財産を残した人ではなく、受け取る側が支払う。遺贈寄付の場合は、法定相続人以外の人(団体)が相続するので、相続税は2割増になり、受け取った遺産から相続税を払う。遺産を受け取った人(団体)は、故人の意思を尊重しその財産を使う。一方で、相続税の対象とならない特例を受ける法人などもある。国や地方公共団体、特定の公益法人などがそれに該当する。国から教育や科学の振興などに貢献することが著しいと認められた法人は、相続税がかからないという制度があるためだ。

相続税のかからない指定団体に寄付するのか、相続税はかかるが、指定以外の団体や法人、個人に寄付するのかの2つの選択肢がある。いずれにしても、自分の遺産が何かの役に立つのだ。

また、自分の死後だけでなく、もちろん生前に寄付することもできる。生前寄付の場合、寄付側にもメリットがある。一定金額だが所得税の控除受けることができるのだ。相続財産を減らしたい場合にも効果的だ。寄付の控除額は個人の所得や寄付する団体よって変わるが、代表的な計算を紹介する。一般的に寄付金控除には大きく2種類ある。

1つめは所得控除方式。その年の総所得金額の合計から控除する方式である。この場合、「(寄付金額―2000円)×所得に応じた掛け率(5~45%)」が控除となる。2つめは税額控除方式。これは、税額から直接控除する方式である。この場合「(寄付金額―2000円)×30%または40%」として、所得にかかわらず30%または40%の一律掛け率が控除となる。寄付金控除は所得控除方式または税額控除方式のメリットの大きい方を選ぶことができる。

控除を受けるためには、確定申告が必要だ。

控除を受けるためには、確定申告が必要

私たちは社会貢献に関心があっても、各個人にはさまざまな事情があって、なかなか寄付できずにいるのも事実だ。またボランティアや労働的な社会貢献は気軽にできるのだが、いざ寄付となるとその方法を知らない場合も多い。死後、自分の関心のある分野に役立ててほしいと生前寄付や遺贈寄付をするのも、一つの相続の方法だといえるだろう。

文/大田和孝純 ライター 取材協力・監修/琉子敬仁(りゅうし たかひと)税理士・オハナ税理士事務所  写真/PIXTA

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