建て替えて今の家族に合う住まい

親の老後を見守るために住まいの建て替えを考えるなら、断熱性や耐久性といった基本性能はもちろん、安全な暮らしに対してより一層配慮があるプランを考えたい。
また、自分たちの世代がその家を将来どうするのか、二世帯住宅への建て替えを考える場合でも、将来長く住み継ぐことができるかどうかを考えてみよう。

二世帯住宅、賃貸併用住宅を建てるときに知っておきたいこと

老朽化した実家を二世帯住宅に、あるいは賃貸併用住宅に建て替えて
住み続ける際に注意したいポイントを紹介しよう

建て替えプランはさまざまな観点から検討しよう

親が住む実家が老朽化し建て替える場合、生活設計や立地条件などに応じて最適な方法を考えたい。その場合、親子が将来のことまでよく話し合ってプランニングすることが大切だ。二世帯住宅なら、まず親のほうに同居の意思があるのかどうかを確認した上で、具体的なプランニングに入ろう。立地条件によっては賃貸併用住宅も可能になる。その際は、住宅メーカーなどの協力を得て、市場調査をしっかり行うことが大事だろう。また、税制面からも検討する必要がある。例えば同居すると小規模宅地等の特例の適用で、宅地の場合は330m2までの土地の相続税評価額が80%減額され相続税の節税になる。だが、登記の仕方によってはその特例が使えないこともあるので注意が必要だ。なお、小規模宅地の特例の適用には、その他にも条件があるので事前に確認しよう。

二世帯同居の場合は「登記」の仕方に注意を

二世帯同居する場合「区分登記」(2戸の住宅として登記)を行うと、同居とはみなされず小規模宅地等の特例が使えない。「共有登記」(出資割合に応じて親子が共有名義で登記)は、特例が使えて相続時の節税になる。

CASE01 建物が区分登記の場合親と子で50%ずつ登記
CASE01
建物が区分登記の場合
親と子で50%ずつ登記
※土地は親の土地
相続税評価額
土地 4500万円(路線価30万円×150㎡)の場合
(小規模宅地等の特例適用なし)
4500万円
建物
(親名義)
1000万円(固定資産税評価額)
土地+建物 4500万円+1000万円=5500万円
CASE02 建物が共有登記の場合親の持ち分50%、子の持ち分50%
CASE02
建物が共有登記の場合
親の持ち分50%、子の持ち分50%
※土地は親の土地
相続税評価額
土地 4500万円(路線価30万円×150㎡)の場合
(小規模宅地等の特例適用)
4500万円×(1-0.8)=900万円
建物 2000万円(固定資産税評価額)の場合
2000万円×親の持ち分50%=1000万円
土地+建物 900万円+1000万円=1900万円
※配偶者か、配偶者も含め同居親族がおらず持ち家に住んでいない子が相続した場合、親所有の建物相当の敷地面積のみに特例が適用

二世帯は親子で相談しプランを決める

二世帯同居が決まったら、どのように住み分けるのか、親子でしっかり話し合おう。二世帯のプランは大きく分けて右、下の図のように3種類ある。双方の生活時間の違いなどを考慮してタイプを選ぼう。最初は親子でよく話し合い、まとまりにくいようだったら、住宅メーカーの担当者に間に入ってもらってアドバイスを受けてみよう。また、ほかに兄弟姉妹がいる場合は、将来相続でもめないよう、同居する子どもが実家を相続することについて、あらかじめ同意を得ておくことが大切だ。

完全分離型
完全分離型
玄関も設備もそれぞれに

玄関2つ、キッチン、浴室、トイレもそれぞれに設けて完全に分けるタイプ。両世帯で生活時間などライフスタイルが異なる場合に向く。外階段で2階に行くプランも。

一部共有型
一部共有型
玄関は1つで共用する

1つの玄関を共用し、キッチンなどの設備をそれぞれに設ける、または一部を共用するタイプ。完全分離にしたいが、スペースにゆとりがない場合などはこのタイプが向く。

完全同居型
完全同居型
玄関も設備も共用する

玄関と設備をほぼ共用するタイプ。スペースにゆとりがない場合や食事を共にすることが多い家族に向く。ただしなるべくトイレは別にして、ミニキッチンも設けておくと便利。

将来の自宅活用法も視野に入れておく

親が住む実家の建て替えを行う場合、現在のことだけでなく、将来の家族構成の変化を前提にプランを考える必要もある。例えば、当初は二世帯で同居していても将来的に親のどちらか、あるいは両方が亡くなった後をどうするのか。賃貸住戸に変えるのも一つの方法だ。スタートが賃貸併用だった場合は、親が高齢となり、体が弱ってきたら、子どもを迎えて同居し二世帯住宅にする手もある。例えば賃貸併用から二世帯住宅にすることを想定して、賃貸の水まわり設備などのグレードを上げておくのも一つの方法。逆に将来賃貸にする可能性があるなら、2階の床の遮音性を上げておくのもよい。住宅メーカーにも相談しながら、可変性の高い家づくりを目指そう。

将来は賃貸を併用する例
当初は二世帯で同居する
当初は二世帯で同居する

同居のタイプを選び、それに沿った家づくりを行う。親世帯は移動の負担を考慮し1階にスペースをとるのが一般的。ホームエレベーターを設置する場合はどの階でもOK。

親世帯の一部を賃貸住戸に
親世帯の一部を賃貸住戸に

将来、親世帯が1人になったら、スペースがそれほど必要ではなくなるので、賃貸住戸を併設する。家賃が入るので、親もしくは子世帯がその収入を得ることができる。

1階をすべて賃貸住戸に
1階をすべて賃貸住戸に

両親とも亡くなったら、1階はすべて賃貸住戸とする。あるいは兄弟姉妹の家族と同居してもよいし、いずれ子世帯の子どもの家族と住み、元の二世帯住宅にすることも

取材・文 / 林直樹 税制監修 / 福田浩彦さん(NHB税理士法人)

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